![]() 薬剤溶出ステント及び医療機器用の順序付けられたコーティング
专利摘要:
脈管の状態を治療するためのシステムは、ステント骨格上に層状コーティングを有する治療剤溶出ステントを含む。コーティングは、治療効果のある量の1以上の治療剤を順序付けられた順に選択された期間にわたって放出する。本発明の別の実施形態は、層状コーティングを有するステントを治療部位に配置し、治療効果のある量の1以上の治療剤を治療部位で順序付けられた順に選択された期間にわたって放出することによって脈管の状態を治療する方法を含む。 公开号:JP2011510703A 申请号:JP2010544363 申请日:2009-01-05 公开日:2011-04-07 发明作者:ユージーン テデスキ;マシュー バードソール;リチャード フランシス 申请人:メドトロニック カルディオ ヴァスキュラー インコーポレイテッド; IPC主号:A61F2-82
专利说明:
[0001] 本発明は、一般に、脈管の状態の治療に用いられる生物医学機器に関する。より詳細には、本発明は、1以上の治療剤を所定の順に治療的に最適な速度で放出する層状コーティングを有する治療剤溶出ステント及びその他の医療機器に関する。] 背景技術 [0002] ステントは、一般に、身体の管腔の中に植込まれた後で血管又は他の解剖学的管腔の一区域を開いたまま保つために半径方向に拡張可能な円筒形の機器である。] [0003] 拡張型ステント及び自己拡張型ステントを含む種々のタイプのステントが用いられている。拡張型ステントは、一般に、バルーンカテーテル又は他の拡張可能機器で治療されるべき領域に運ばれる。身体の中に挿入するために、ステントは送達機器に圧縮構成で配置される。例えば、ステントは、送達機器の一部であるカテーテル本体の遠位部の周りに折り畳まれるか又は包まれるバルーンの上に圧着されてもよい。ステントが病変にわたって位置決めされた後で、ステントは送達機器によって拡張されて、その直径が拡大される。自己拡張型ステントについては、通常は鞘部が引っ込められて、ステントが拡張することになる。] 発明が解決しようとする課題 [0004] ステントは、プラーク又は血栓のような病変を治療するための脈管内血管形成術を含む様々な内科治療用途においてバルーンカテーテルと組み合わせて用いられる。例えば、バルーンカテーテル機器は、狭窄血管を広げるために、経皮的経管的冠動脈形成術(PTCA)中に膨らませる。膨らませると、加圧されたバルーンが病変に圧縮力をかけて、患部血管の内径を増加させる。血管内径の増加は、血流の改善を促進する。しかしながら、処置のすぐ後で、処置された血管がかなりの割合で再狭窄する。] [0005] 再狭窄を減らすために、金属又はポリマー製のステントが血管内に植込まれて管腔径を維持する。ステントは、心血管系を通って移動されることが可能となるのに十分なだけ長さ方向に可撓性でなければならない。さらに、ステントは、円形の開構成において足場として働いて管腔壁を支持することを可能にするのに十分なだけの半径方向の強度を必要とする。] [0006] ステントの挿入及び拡張は、異物反応に起因する炎症、感染、血栓症、及び血管を塞ぐ細胞増殖の急増のような望ましくない反応を引き起こすことがある。損傷した血管を治療し、血栓症及び再狭窄を含む悪い状態の発生を減らすために、1以上の治療剤を送達することができるステントが用いられている。] [0007] ステントの配置部位で薬剤又は他の治療剤を送達するために、ステントの表面に適用されるポリマーコーティングが用いられている。コーティングは、生分解性又は生物安定性(biostable)のポリマーを単独で、又は、種々の組み合わせで制御された分解速度のような固有の特性をコーティングに与えるか、或いは、治療剤の溶出を制御する生分解性又は生物腐食性(bioerodable)部分を有する生物安定性のメッシュを含むことができる。] [0008] 治療されている病状に応じて、ステント又は他の医療機器の表面から1つより多い治療剤を送達することが望ましい場合もある。例えば、機器が治療部位に配置された直後に抗炎症剤が短期間にわたって送達され、この後に、抗増殖剤が機器の植込み後数週間又は数ヶ月間にわたって送達されてもよい。もう1つの方法として、1つの治療剤が、2つの又はそれ以上の異なる速度で植込み後の異なる時点で放出されてもよい。したがって、1以上の治療剤を順に治療効果のある速度で放出することができる層状ポリマーコーティングを有する植込み型治療剤溶出ステント又は他の医療用インプラントを提供することが望ましいであろう。こうしたステント又は医療機器は、前述の機器に内在する多くの制限及び欠点を克服するであろう。] 課題を解決するための手段 [0009] 本発明の1つの態様により、カテーテルとカテーテル上に配置された治療剤搬送ステントを含む、脈管の状態を治療するためのシステムを提供する。ステントは、ステントの表面上に配置された層状コーティングと、コーティング内に含まれる少なくとも1つの治療剤とを含む。コーティング層により、患者の治療に最適な順に並べられた治療剤の順序付けられた放出を提供する。] [0010] 本発明の別の態様により、ステントの少なくとも一部の表面上の層状コーティングとコーティング内の少なくとも1つの治療剤とを有するステントを提供する。コーティング層により、患者の治療に最適な順に並べられた治療剤の順序付けられた放出を提供する。] [0011] 本発明の別の態様により、層状コーティングと1以上の治療剤とを有するステントを治療部位にカテーテルを介して送達することによって脈管の状態を治療するための方法を提供する。この方法はさらに、治療上効果的な順に治療部位へ治療剤を順に送達することを含む。] [0012] 本発明は、種々の実施形態の添付の図面及び以下に与えられる詳細な説明によって例証される。図面は、本発明を特定の実施形態に限定するように受け取られるべきではなく、説明及び理解のためのものである。詳細な説明及び図面は、限定するものではなく本発明の単なる実例であり、本発明の範囲は付属の請求項及びその均等物によって定められている。図面は一律の縮尺に従ったものではない。上記の態様及び本発明の他の付随する利点は、詳細な説明を添付の図面と併せて読むことによって、より分かりやすくなるであろう。] 図面の簡単な説明 [0013] 本発明の一実施形態に係るカテーテルに結合された治療剤搬送ステントを含む、脈管の状態を治療するためのシステムの概略図である。 本発明に係るステント又は他の医療機器の表面に治療剤を含む2つの層を含む層状コーティングの概略図である。 本発明に係るステント又は他の医療機器上のタイ層(tie layer)によって分離された2つの治療剤送達層からなる層状コーティングの概略図である。 コーティングの外側層の分解によって1つの治療剤の放出が活性化される、ステント又は他の医療機器上の層状コーティングからの治療剤の放出の概略図である。 本発明に係る層状コーティングを有するステントを用いる脈管の状態を治療するための方法の流れ図である。] 実施例 [0014] 本明細書の全体を通して同様の番号は同様の構造体を指す。] [0015] 本発明は、カテーテルとカテーテル上に配置された治療剤搬送ステントとを含む心血管系の異常を治療するためのシステムに関する。ステント表面に配置された層状コーティングは、1以上の治療剤を順序付けられた順に放出する。本発明の例示的な実施形態において、図1は、カテーテル110に結合された治療剤搬送ステント120からなるシステム100の実例を示す。カテーテル110は、拡張して身体管腔内に治療剤搬送ステント120を展開するバルーン112を含む。カテーテル110内部のガイドワイヤ管腔114を通って縦走するガイドワイヤの助けにより治療剤搬送ステント120を管腔内に位置決めした後で、カテーテル110及びバルーン112の内部の管腔を満たす造影液又は食塩水のような流体を加圧することによって、バルーン112を膨らませる。治療剤搬送ステント120が所望の直径に到達するまで拡張され、次いで、造影液が減圧され又は排出され、バルーン112が治療剤搬送ステント120から分離し、治療剤搬送ステント120を身体の血管内に展開されたまま残す。もう1つの方法として、カテーテル110は、引っ込むことで治療剤搬送ステント120の自己拡張型実施形態の拡張を可能にする鞘部を含むことができる。治療剤搬送ステント120は、ステントの内面及び外面を形成しているステント骨格130を含む。本発明の一実施形態において、ステント骨格130の少なくとも一部の表面上に層状コーティングが配置される。] 図1 [0016] 本発明の一実施形態において、ステント骨格は、ステンレス鋼、チタン、マグネシウム、アルミニウム、クロム、コバルト、ニッケル、金、鉄、イリジウム、クロム/チタン合金、MP35N及びL605のようなクロム/ニッケル合金、クロム/コバルト合金、コバルト/チタン合金、ニチノールのようなニッケル/チタン合金、白金、及び白金/タングステン合金のような1以上の種々の生物適合性のある(biocompatible)金属を含む。金属組成物は、ステント骨格に、血管の管腔壁を支持するための機械的強度と、ステント骨格が心血管系を通って移動されることが可能となるのに十分なだけの長さ方向の可撓性を与え、多孔性コーティングをもたらす酸化及び還元反応のための金属基材を提供する。] [0017] 本発明の別の実施形態において、ステント骨格130は、1以上の生物適合性のあるポリマー材料を含む。ポリマー製のステント骨格130は、生分解性、生物安定性であってもよく、又は、生物安定性と生分解性との両方のポリマー材料の混合物を含んでもよい。本発明のステント骨格に適した生分解性ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、及びそれらのコポリマー、カプロン酸、ポリエチレングリコール、ポリ無水物、ポリアセテート、ポリカプロラクトン、ポリ(オルトエステル)、ポリアミド、ポリウレタン、及びその他の適切なポリマーがあげられる。本発明のステントに適した生物安定性のあるポリマーとしては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール、他の生物安定性のあるポリマー、及びそれらの組み合わせがあげられる。これらのポリマーは、単独で、又は、可撓性、コーティング耐久性、及び制御された分解速度のような所望の特性をステント骨格に与える種々の組み合わせで用いられてもよい。] [0018] ステント骨格は、金属ワイヤ又はポリマーフィラメントを整形することによって、或いは、金属又はポリマーシートからステントをレーザ切断すること、ポリマーペレットを圧縮成形してフィラメントを形成すること、又はその他の適切な方法によって形成される。必要であれば、ステント骨格の表面は、油を除去するために界面活性剤及び/又は有機溶媒で洗浄すること、機械的研磨すること、電解研磨すること、酸又は塩基でエッチングすること、又はコーティングを適用する準備のできたクリーンで均一な表面を露出するためのその他の有効な手段によって清浄にされる。] [0019] 図2は、ステント骨格又は他の医療機器の表面204上に配置された第1治療剤送達層202と、層202の上に重ね合わされる第2治療剤送達層206との2つの治療剤送達層からなる層状ステントコーティング200の実例である。一実施形態において、層206は、層202の一部、例えばステントの外側部に配置された層202の一部を覆う。第2の実施形態において、層206は、層202を完全に取り囲んで覆う。各コーティング層202及び206は、それぞれ、各層202及び206から治療剤が送達されるのに適した送達システムを与える1以上のポリマーからなるポリマーマトリクス208及び212を含む。さらに、層202を構成するポリマーは、ステント表面に緊密に付着し、層206を構成するポリマーは、層202の表面に付着する。] 図2 [0020] 一実施形態において、層202を構成しているポリマー208は、ポリマー212が溶解可能な1以上の溶媒に不溶である。同様に、層206を構成しているポリマー212は、ポリマー208が溶解できる溶媒に不溶である。一実施形態において、1つの層、例えば層206を構成しているポリマーは、水に可溶であり、第2の層、この例では層202を構成しているポリマーは、水に不溶であるが、有機溶媒に可溶である。これらのコーティングに適した水溶性(aqueous soluble)ポリマーとしては、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、及びそれらのコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアセテート、ポロキサマー、ポロキサミン、ポリアミド、デンプン糖、デキストラン、セルロース、アルギナート、ヒアルロン酸、他の水溶性ポリマーがあげられる。これらのポリマーは、単独で、又は、組み合わせで用いて、治療剤を最適な速度で適切な期間にわたって送達する水溶性ポリマー層を調製することができる。水に最小限に可溶の、適切な有機溶媒に可溶のポリマーとしては、ポリ無水物、ポリウレタン、ポリカプロラクトン、ポリ(オルトエステル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール、及び他のポリマーがあげられる。これらのポリマーは、単独で、又は、種々の組み合わせで用いて、1以上の治療剤を最適な速度で送達する有機溶媒可溶のポリマー層を調製することができる。] [0021] 一実施形態において、治療剤210をコーティング層202から治療効果のある投与量及びタイミングで送達する1以上のポリマー208が選択される。ポリマー208は、適切な溶媒又は溶媒混合物中に溶解され又は懸濁され、ステント又は他の医療機器の表面204に塗布されて、コーティング層202を形成する。幾つかの実施形態において、ポリマー層202は、スプレーすること又は浸漬することによってステント表面204に塗布され、それによりステント骨格130の表面上に均一なポリマー層が形成される。一実施形態において、液体ポリマー調合物がステント骨格130の外面上にスプレーされ、均一な厚さを有する層202を形成する。必要であれば、ポリマー層202は、次いで、紫外光、熱、ガンマ線照射に曝すこと、又は他の適切な手段によって硬化され、それによりポリマーストランド間に化学架橋が形成される。次に、真空、熱、及び/又は空気に曝して余剰の溶媒を除去することによりコーティングが乾燥される。最後に、治療剤210がポリマー層202に注入される。治療剤210を加えるプロセスは、高圧又は真空を用いて、治療剤210を含有する調製物を多孔性ポリマー層202に注入することを含むことができる。もう1つの方法として、治療剤210は、コーティング層のポリマー成分を含有する調製物の中に混合され、例えばステント骨格130にスプレーし又はステント骨格130を浸漬することなどの当該技術分野では公知の任意の手段によって、ステント骨格130の表面204に直接適用されてもよい。] [0022] ステント表面204にコーティング層202が適用された後で、層202の表面上に層206が重ね合わされる。ポリマーメッシュ212を形成するポリマーは、治療剤214を治療効果のある量で最適なタイミングで送達するように選択され、そしてまたコーティング層202を溶解しない溶媒又は溶媒系に可溶である。コーティング層206は、スプレーし又は浸漬することによってコーティング層202の表面に塗布され、次いで必要に応じて硬化され乾燥される。最後に、治療剤214が層206に注入され、必要に応じてステントコーティングが乾燥される。] [0023] もう1つの方法として、一実施形態において、層202及び206は、ポリマーマトリクス208及び212の同時押出しによってステント表面204に同時に塗布される。同時押出しに適したポリマーの例としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエーテルブロックアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、他のポリウレタン、天然ゴム、ゴムラテックス、合成ゴム、ポリエステル−ポリエーテルコポリマー、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、ポリ(オルトエステル)、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール、及び他のポリマーがあげられる。これらのポリマーは、単独で、又は、組み合わせで用いて、適切な特徴をもつポリマーマトリクス208及び212を提供することができる。] [0024] 本発明の一実施形態において、治療剤分子210及び214は、それぞれコーティング層202及び206内に含有される。治療剤210及び214は、同一の物質であってもよいし、異なる物質であってもよい。標的患者集団の予期される必要性に応じて、抗凝血剤、抗炎症剤、線維素溶解剤、抗増殖剤、抗生物質、治療用タンパク質又はペプチド、組換えDNA製品、又は他の生物活性剤、診断薬、放射性同位元素、又はラジオパク物質のような種々の治療剤を用いることができる。治療剤を含有する調製物は、必要に応じて有効な投与量の治療剤を治療部位に送達するために、溶媒又は他の溶解補助剤、安定剤、懸濁化剤、抗酸化薬、及び保存薬を含む賦形剤を付加的に含有してもよい。] [0025] 治療剤分子210及び214は、コーティングのポリマーメッシュ内に取り込むことによって、もしくは、水素結合又は治療剤分子210及び214の極性及び溶解性に応じた疎水的相互作用のような化学的手段によって、コーティング層202及び206内に保持される。] [0026] 一実施形態において、第1治療剤送達層202及び第2治療剤送達層206は、図3に示されるようにタイ層302によって分離される。一実施形態において、タイ層302は、ステント骨格130の拡張及び収縮中に層202及び206が剥離するのを防止するのに十分なだけの可撓性をもつエラストマーフィルムを形成してタイ層302を提供する1以上のポリマーを含む。一実施形態において、タイ層302は、ポリウレタンラテックス、ポリウレタン、又はポリブタジエンのような適切な弾性ポリマーを単独で又は他のポリマーと共に含む。適切なエラストマー特性をもつ他のポリマーとしては、ポリエーテルブロクアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリエーテルウレタン、ポリエステルウレタン、他のポリウレタン、天然ゴム、ゴムラテックス、合成ゴム、ポリエステル−ポリエーテルコポリマー、ポリカーボネート、ポリ無水物、ポリカプロラクトン、ポリ(オルトエステル)、ポリエチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリビニルアルコール、及び他のエラストマー性ポリマーがあげられる。これらのポリマーは、単独で、又は、組み合わせで用いて、適切なエラストマー特徴をもつタイ層を提供することができる。] 図3 [0027] 一実施形態において、ステントの送達及び位置決めを容易にするために、滑らかな外側コーティング層206を提供するポリマーを、層206について選択することが望ましい。しかしながら、こうしたポリマーは、一般に、層202の表面に良好に付着せず、コーティング層202及び206が剥離することになる。したがって、両方のポリマーマトリクス208及び212に結合するタイ層を用いることが望ましい。一実施形態において、ポリマーマトリクス208は、ポリブチルメタクリレートポリマーを含み、抗増殖剤であるゾタロリムス(治療剤202)を送達する。ポリマーマトリクス212は、ポリエチレンオキシドを含み、コーティングの滑らかな外側層を提供し、抗炎症剤であるパクリタキセル(治療剤214)を送達する。ポリブチルメタクリレート及びポリエチレンオキシドは互いに良好に付着しないので、水に可溶のポリウレタンラテックスのポリマーマトリクスからなるタイ層が用いられ、治療剤送達層202及び206を互いに緊密に結合させて、ステント骨格130の拡張及び収縮中に層状コーティングが亀裂生成し及び剥離するのを防止するのに十分なだけの弾性を与える。] [0028] 一実施形態において、タイ層302は、層202及び206間に障壁を形成する。この実施形態において、治療剤210及び214の双方は、種々の溶媒系に少なくとも部分的に可溶である。したがって、ステント表面204に第1コーティング層202が塗布され、コーティング層202に治療剤210が注入される。次に第2コーティング層206が塗布され、治療剤210が少なくとも部分的に可溶な溶媒に治療剤214が注入された場合には、治療剤214を加える間に治療剤210が層202から浸出することになる。したがって、一実施形態において、治療剤214を加えるために用いられる溶媒を透過しない生分解性タイ層が、層202の表面上に重ね合わされる。増加した耐溶剤性を有する幾つかの生分解性ポリマーとしては、ポリエステル、ポリエステルアミド、ポリエステルウレタン、熱可塑性デンプン及び他の天然ポリマーがあげられる。] [0029] 1つの例示的な実施形態において、治療剤210は、メタノール、アセトン、及びクロロホルムのような極性有機溶媒に可溶であるが、水にはほんの僅かにしか溶けないゾタロリムスである。この例において、層302は、ヘキサンのような非極性有機溶媒にのみ可溶のポリエステル又はポリエステルウレタンを含む。この例において、治療剤210(ゾタロリムス)は、タイ層302の塗布中に層202内にとどまることになる。ポリマーマトリクス212は、ポリエチレンオキシド、水/イソプロピルアルコール混合物に可溶の種々の分子量のポリマーを含む。ポリマーマトリクス212は、層202のゾタロリムス濃度に影響を及ぼすことなくタイ層302を覆うように塗布することができる。] [0030] 一実施形態において、治療部位に送達された後、層206の表面付近の治療剤分子214は、コーティングを通って層206の表面から出ていく治療剤分子214の移動によって速やかに放出される。別の実施形態において、コーティング層206は、生理学的条件下で生分解性であるポリマーを含み、コーティング層206は、ステント又は他の医療機器が治療部位に配置された後すぐに分解し始める。この実施形態において、ポリマーマトリクス206が分解すると、コーティング層206内に取り込まれた治療剤分子214が、コーティング層206の分解速度によって定められる速度で放出される。一実施形態において、コーティング層206の分解中の治療剤214の放出によって治療部位で治療効果のある量の治療剤214を提供する分解速度を有するポリマー212が選択される。] [0031] コーティング層206が分解し除去された後、図4に示すように層202の表面402が露出される。次いで、治療剤210が、拡散によって表面402を通って放出され、その結果、治療剤214の放出に続いて治療剤210が順次放出される。一実施形態において、治療剤214は、パクリタキセル、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、サリチル酸、フルオシノロンアセトニド、コルチコステロイド、及び他の薬剤並びにプロドラッグのような抗炎症剤である。治療剤210は、ゾタロリムス、シロリムス、エベロリムス、ピメクロリムス、及び抗増殖活性を有する他の薬剤のような抗増殖性物質である。ポリマーマトリクス212は、生分解性であり、ポリラクチド及びグリコリドポリマーを含む。この例において抗炎症剤である治療剤214は、ステント又は他の機器が植込まれた後ですぐに放出され、ステントを取り囲む組織の炎症組織反応を減少させる。この例において抗増殖性物質である治療剤210は、ポリラクチド−コ−グリコリドコーティング層206が分解し除去されて層202が露出し、治療剤210の放出が開始されるのに必要な時間に応じて数日又は数週間後に放出される。] 図4 [0032] 図5は、本発明に係る層状治療剤溶出コーティングを有するステントを用いた脈管の状態を治療するための方法500の流れ図である。この方法は、ブロック502に示すように、治療剤を治療部位で順序付けられた順に所望の期間にわたって放出することになる少なくとも2つのコーティング層のためのポリマーを選択することを含む。コーティングは、ポリマーマトリクス、送達されるべき1以上の治療剤、及び、コーティングをステント骨格の表面に付着させ治療剤を治療部位に送達するのに必要なその他の賦形剤を含む。ポリマーマトリクスは、生分解性又は生物安定性のいずれかである。治療剤は、封入(entrapment)又は化学結合によって各コーティング層内に保持され、コーティングから拡散することによって、又は、コーティングの生分解の結果として、治療部位で放出される。幾つかの実施形態において、治療剤送達層はタイ層によって分離され、タイ層は、層間の治療剤の移動を防止し、層の互いへの付着を改善して堅牢なコーティングを形成し、コーティングに弾性を与えてステント骨格の拡張及び収縮中のコーティングの断裂及び剥離を防止する。] 図5 [0033] ブロック504に示すように、ステント骨格の表面にコーティングが塗布される。本発明の一実施形態において、第1コーティング層を構成するポリマーマトリクスが、浸漬し又はスプレーすることによって液体として塗布され、次いで、必要であれば硬化され、乾燥されて、空気、真空、熱、又はコーティング層をステント骨格に付着させるその他の有効な手段を用いて余剰溶媒が除去される。次いで、層から送達されるべき治療剤が、コーティング層に注入される。次に、用いられる場合にはタイ層が、第1コーティング層の表面上に重ね合わされ、最後に、第1層について説明されたのと同様の方法を用いて前者の層の表面に第2治療剤送達層が塗布される。最後に、第2治療剤が外側層に注入され、下にある層及び第1治療剤は影響を受けないままにされる。もう1つの方法として、一実施形態において、層は、各コーティング層を構成するポリマーマトリクスの同時押出しによって同時に塗布される。] [0034] 次に、ブロック506に示すように、コーティングされた治療剤溶出ステントが、カテーテルに取り付けられ、治療部位に送達される。治療部位で、ステントが治療されるべき病変にわたるように位置決めされ、拡張される。次いで、カテーテルが身体から抜去される。] [0035] 生理学的環境において、ブロック508に示すように、治療剤が、層状コーティングから順序付けられた順に治療効果のある期間にわたって放出される。一実施形態において、ステントの配置の直後に、コーティングの外側層内の治療剤分子がコーティングの外に移動し、治療効果のある量の治療剤を治療部位で送達する。] [0036] 別の実施形態において、コーティングの外側層の生分解、及び、外側層内の治療剤の放出は、ステントの配置の直後に、コーティングの分解によって制御される速度で始まる。次に、コーティングの内側層が露出され、この層内の治療剤が、コーティングの内側層の性質によって定められる期間にわたって放出される。したがって、第2治療剤の放出は、ステントの配置後のある期間にわたって遅延され、ほとんどの第1治療剤が放出された後でのみ開始される。この実施形態は、ブロック510に示すように、順序付けられた順に層状コーティングからの2つの異なる治療剤の放出を提供する。] [0037] 特定の実施形態を参照しながら本発明を説明してきたが、当業者であれば、本発明の精神及び範囲から逸脱することなく形態及び細部に変形及び修正を加えてもよいことを理解するであろう。]
权利要求:
請求項1 脈管の状態を治療するためのシステムであって、カテーテルと、前記カテーテル上に配置されたステントと、前記ステントの表面上に配置された層状コーティングと、前記コーティング内に配置された少なくとも1つの治療剤と、を含み、前記コーティングの層が、治療に最適な順に治療剤を順に放出する、前記システム。 請求項2 前記層状コーティングが、第1ポリマー治療剤放出層及びタイ層によって分離された第2ポリマー治療剤放出層を含むことを特徴とする請求項1に記載のシステム。 請求項3 前記タイ層が少なくとも1つの弾性ポリマーを含むことを特徴とする請求項2に記載のシステム。 請求項4 前記少なくとも1つの弾性ポリマーが、ポリウレタンラテックス、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリエステルアミド、熱可塑性デンプン、及び他の天然ポリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項3に記載のシステム。 請求項5 前記層状コーティングがさらに、第1溶媒に可溶の第1ポリマーを有する第1の層と、第2溶媒に可溶の第2ポリマーを有する第2の層とを含み、前記第1の層のポリマーが前記第2溶媒に不溶であることを特徴とする請求項1に記載のシステム。 請求項6 前記第1及び第2ポリマーのうちの少なくとも1つが水溶性のポリマーを含むことを特徴とする請求項5に記載のシステム。 請求項7 前記水溶性のポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、及びそれらのコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアセテート、ポロキサマー、ポロキサミン、ポリアミド、デンプン、糖、デキストラン、セルロース、アルギナート、ヒアルロン酸、他の水溶性ポリマー、及びそれらの組み合わせを含む群から選択されることを特徴とする請求項6に記載のシステム。 請求項8 前記第1及び第2ポリマーのうちの少なくとも1つが非水溶性のポリマーを含むことを特徴とする請求項5に記載のシステム。 請求項9 前記非水溶性のポリマーが、ポリ無水物、ポリウレタン、ポリカプロラクトン、ポリ(オルトエステル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール、他の非水溶性のポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項8に記載のシステム。 請求項10 前記少なくとも1つの治療剤が、抗凝血剤、抗炎症剤、線維素溶解剤、抗増殖剤、抗生物質、治療用タンパク質、組換えDNA製品、生物活性剤、診断薬、放射性同位元素、及びラジオパク物質からなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。 請求項11 第1治療剤を有する第1ポリマー層と、第1ポリマー層上に配置された、第2治療剤を有する第2ポリマー層とをさらに含むことを特徴とする請求項10に記載のシステム。 請求項12 前記第1治療剤が抗増殖剤を含み、前記第2治療剤が抗炎症剤を含むことを特徴とする請求項11に記載のシステム。 請求項13 前記治療剤が、ゾタロリムス、エベロリムス、シロリムス、ピメクロリムス、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、サリチル酸、フルオシノロンアセトニド、コルチコステロイド、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載のシステム。 請求項14 その表面の少なくとも一部に配置された層状コーティングと、前記コーティング内に少なくとも1つの治療剤とを有し、前記コーティングの層が、治療に最適な順に治療剤を順に放出することを特徴とするステント。 請求項15 前記層状コーティングが、第1ポリマー治療剤放出層及びタイ層によって分離された第2ポリマー治療剤放出層を含むことを特徴とする請求項14に記載のステント。 請求項16 前記タイ層が少なくとも1つの弾性ポリマーを含むことを特徴とする請求項15に記載のステント。 請求項17 前記少なくとも1つの弾性ポリマーが、ポリウレタンラテックス、ポリウレタン、ポリブタジエン、ポリエステル、ポリエステルアミド、熱可塑性デンプン、及び他の天然ポリマーからなる群から選択されることを特徴とする請求項16に記載のステント。 請求項18 前記層状コーティングがさらに、第1溶媒に可溶の第1ポリマーを有する第1の層と、第2溶媒に可溶の第2ポリマーを有する第2の層とを含み、前記第1の層のポリマーが前記第2溶媒に不溶であることを特徴とする請求項14に記載のステント。 請求項19 前記第1及び第2ポリマーのうちの少なくとも1つが水溶性のポリマーを含むことを特徴とする請求項18に記載のステント。 請求項20 前記水溶性のポリマーが、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、及びそれらのコポリマー、ポリエチレングリコール、ポリアセテート、ポロキサマー、ポロキサミン、ポリアミド、デンプン、糖、デキストラン、セルロース、アルギナート、ヒアルロン酸、他の水溶性ポリマー、及びそれらの組み合わせを含む群から選択されることを特徴とする請求項19に記載のステント。 請求項21 前記第1及び第2ポリマーのうちの少なくとも1つが非水溶性のポリマーを含むことを特徴とする請求項18に記載のステント。 請求項22 前記非水溶性のポリマーが、ポリ無水物、ポリウレタン、ポリカプロラクトン、ポリ(オルトエステル)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルメタクリレート、ポリエステル、ポリアミド、エチレンビニルアルコールコポリマー、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリビニルアルコール、他の非水溶性のポリマー、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項21に記載のステント。 請求項23 前記少なくとも1つの治療剤が、抗凝血剤、抗炎症剤、線維素溶解剤、抗増殖剤、抗生物質、治療用タンパク質、組換えDNA製品、生物活性剤、診断薬、放射性同位元素、及びラジオパク物質からなる群から選択されることを特徴とする請求項14に記載のステント。 請求項24 前記治療剤が、ゾタロリムス、エベロリムス、シロリムス、ピメクロリムス、デキサメタゾン、ヒドロコルチゾン、サリチル酸、フルオシノロンアセトニド、コルチコステロイド、それらのプロドラッグ、及びそれらの組み合わせからなる群から選択されることを特徴とする請求項23に記載のステント。 請求項25 脈管の状態を治療する方法であって、層状コーティングと前記コーティング内に配置された少なくとも1つの治療剤とを有するステントを、カテーテルを介して治療部位に送達し、治療上効果的な順に治療部位へ治療剤を順に送達する、ことを含む方法。 請求項26 少なくとも2つのコーティングポリマー成分を選択して所望の治療剤送達速度を提供することをさらに含む、請求項25に記載の方法。
类似技术:
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同族专利:
公开号 | 公开日 WO2009097165A3|2010-05-14| CN101909668A|2010-12-08| EP2247321A2|2010-11-10| WO2009097165A2|2009-08-06| US20090192583A1|2009-07-30| CN101909668B|2013-11-06| EP2247321B1|2013-03-13|
引用文献:
公开号 | 申请日 | 公开日 | 申请人 | 专利标题
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